特注の部屋(72)(73)2台のラインアンプ

【本日ラインアンプ2台を発送しました】
①DELTA BOX
1号機を製作したのは2012年。雑誌『管球王国』63号の特集コーナー「実験ラボラトリー」の視聴対談用にDELTA BLUE(パッシブ・イコライザ)と共に開発しました。今回の製作では、この初期モデルの基板を再現しています。更にゲインを3倍仕様にとのご希望がありました。スタンダード仕様はゲイン1、可変ゲイン仕様ではオリジナル回路のサウンドが変わってきますが、この仕様ではゲインが3倍になってもオリジナル・サウンドが極力変わらない構成で仕上げてあります。ゲインブロックは1960-C 、I/Oはリヤパネに。
ご依頼主はオーディオ再生にプリとして使われるとのことでした。
価格 11万円
②特注ラインアンプ
こちらもオーディオ再生用にご注文頂きました。マルチアンプシステムでのプリとデジタルチャンネルデバイダの間に入るIMAI式「THE LINE AMP」です。A/Bの2連POTを含め、パーツの多くはビンテージNOS、回路構成もこのラインアンプ用に起こし、調整しました。
音量調整なしのシンプルなラインアンプをご希望でしたが、音量調整バイパスを設け、切替えて使えるように提案させて頂きました。ご依頼主はクラシックを中心に聴かれるとのこと。
価格 30万円
「当工房のラインアンプをオーディオ再生用途で導入される方で、Bluetooth対応とする場合、例としてOlasonicのNA-BTR1を経由する方法があります。BTR1のアナログRCA出力からラインアンプへコネクトするだけです。」
私にとって音響機器の製作は、長年の音録りやミックス作業で培った録音の仕事と同種の感覚を使います。IMAI式ラインアンプは音響工房アナログ式の看板製品ですが、もともとは自身の仕事道具として開発した製品です。DELTA BOXのケースは業務用ですのでインスタ映えはしませんが、気兼ねなくヘビーデューティにお使い頂けたら幸いです。
◆早速、お二方からご感想が届きましたので、以下にご紹介します。
◆DELTA BOX 特注仕様
届いて早速音出ししました。
まだ1時間も経っていませんが音があたたかく聴こえ正にアナログな感じがします。
ゲインブロックCは抜けがよく低音感は少なめなのかなと想像していましたがそんなことなく不足しているとは思えません。
HI-FIとNITROの違いがまだ判りませんが本日は小さい音でしか聴けないので追々楽しみたいと思います。
ゲインがあるのでラインアンプとは言えないのかもしれませんが小出力パワーアンプが有効に使えますし
その幅広さは私のような者にはむしろ有利だと思っています。
それと筐体が手ごろなサイズで場所をとらず外観より中身重視なのが自分好みです。
同じ金額ならそれを中に使わないと意味がないという考えで選んだのが良かったです。
私みたいな素人に親切に教えてくれたことを有難く思いこれから楽しみながら勉強していきたいと思っています。
この度はステキな素晴らしいラインアンプをありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。
◆特注ラインアンプ
お送り頂いたラインアンプを本日拝受致しました。
早速、フェーダー(プリアンプ)〜メインアンプ(→30cmフルレンジ)の間に接続しました。
(マルチアンプは調整途上のため、一旦シンプルな設定に戻しました)
ダイレクト接続よりも音に奥行きと広がりが出ました。各楽器が埋もれずにきちんと定位します。
音量を上げても喧しさがなく、逆に絞っても耳を欹てる必要がなくなりました。
特に人の声では、いわゆる「口の形が分かる」というのでしょうか。
声色やディクションが、今までよりずっと表情豊かにきこえます。
SP復刻のモノーラル盤から最新のSACDまで、愛聴盤を次々聞き直しております。
若干ジャズも聴くのですがバド・パウエルやクリフォード・ブラウンが、より熱く迫ってきます。
この度は大変お忙しい中、素晴らしいアンプを本当にありがとうございました。
一生の宝物として大切に使わせて頂きたく存じます。
お二方、ありがとうございました。
音響工房アナログ式
www.analogmode.jimdo.com
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