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2006年10月 4日 (水)

五感を使う 実践その1

Renegadetwo_f■たとえばUrei(UA)のマイクプリM-610のように50年代、60年代のヴィンテージ機材にはメータが無いものも存在する。現代の機材が使い手に親切すぎるだけに、当時の、使い手を少し突き放したような「潔さ」に魅力を感じる。想像力を刺激されるからだろうか。■手前味噌だが、当メーカーで人気の廉価機種RENEGADE もメータがない。これは価格を抑えるために音質に影響の無い回路は極力省いた結果なのだが。。では、そのような「少し不親切な機材」をどう使いこなすのか。今日はそのコツを書いてみようと思う。

要になるのはシステムの最後にくる機材のメータ■詳細は長くなるので次回に書くが、このことを頭に入れてほいて欲しい。最後につながれた(録音機である場合がほとんど)機材のメータで判断する。これが基本である。

マイクプリ(マイクプリアンプ)の場合■その後に接続される機材=インターフェース(DAWの場合)やMIX画面のメータ、また卓がある場合はそれらのメータを見て調整する。録音の場合、録音機(テープレコーダー、HDR、DAW等)が同室にあれば、そのメータを見ながら録音レベルを調整する(スタジオなど、録音機がマシンルームにある場合は、また別の機会に)。一般的なマイクプリには入力や出力レベルを監視するメータやピークインジケータが付いている。

■コンプリミ(コンプレッサー・リミッター)■メータの無いコンプを使う場合も、基本的には上記のマイクプリの場合と同じである。一般的なコンプには入力レベル、出力レベル、そしてGR(ゲインリダクション)レベルが監視できるようにメータが付いている。

メータが付いている場合■もちろん、メータが付いていればメータを見る場合もある。が、「メータの振れに頼って音を録るのは’電気屋’。私たちミキサーは’音屋’である。メータに頼らず、耳で録れ」と先輩から教わった言葉が忘れられない。メータはあくまでも、文字通り「目安」と考える方がいい。それは「レベルがOK=音がOK」とは言えない場合が多いからだ。人間は数値で示されると「安心」することが多いが、その姿勢を疑ってみることは常に必要である。

■当メーカーのコンプを注文される際に「GRメータを付けることは出来ますか?」とお客様に尋ねられることがある。もちろん可能だが、ハンドメイドゆえコストが跳ね上がってしまう。上記のように後続機材のメータで充分判断がつくのだから、予算的にも付けないことをお勧めしている。それでも。。とおっしゃる方は、高額になってしまうことをご理解頂いた上で、ご希望に沿った機材をお作りするのだが・・・

■こうして、あらためて書くと本当に簡単なことだ。機材を単体で見ているとわからないことも、システム全体でとらえれば解決する問題は多い。そして何を使うにも音響機器の基本として大切なことは、目よりも耳を使うことである(またかと、耳にタコが出来た方もいらっしゃるだろうが・・)。視覚に頼りすぎてしまうと、人間はどうしても聴覚が鈍くなる。そのことを今一度、肝に銘じて頂きたい。

次回は、「システムの最後にくる録音機と、卓のメータの関係について」書いてみたいと思う。

音響工房アナログ式  http://analogmode.jimdo.com

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